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考えごと

「副業すべき」と、リスクを取らない他人が言うのが引っかかる

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「副業すべき」と、リスクを取らない他人が言うのが引っかかる

「副業はすべき」「これからは副業の時代」「一つの会社に依存するのは危険だ」——ここ数年、そういう声をあちこちで見かけます。稼ぐ力をつけろ、動かないやつは取り残される、と。

言いたいことは、分からなくもありません。ただ正直に言うと、僕はこの手の「副業すべき」論に、けっこう引っかかっているんです。副業そのものにではなく、それを外から言ってくる人のほうに。

リスクを負わない人が、他人に「すべき」と言う

副業をやるかどうかって、本来は完全に本人の問題ですよね。やるのは自分だし、うまくいかなかったときにリスクを負うのも自分です。

なのに、その身銭も切らない、リスクも取らない他人が、他人に向かって「副業はすべきだ」と言ってくる。ここが、どうも引っかかるんです。だって、その人はあなたが副業で疲れ切っても、本業に支障が出ても、思ったより稼げなくても、何の責任も取ってくれません。無責任に「すべき」と背中を押すだけ押して、あとは知らんぷりです。

副業には、それなりのリスクがあります。時間も体力も持っていかれるし、本業とのバランスを崩すこともある。そのリスクを引き受けるのは、言った本人ではなく、あくまで動いた自分です。だから僕は、「すべき」という言葉を外から投げてくること自体が、そもそも筋が違うんじゃないかと思っています。

自分は、頼まれて掛け持ちした

ちなみに僕自身は、会社員だったときは副業をしていませんでした。フリーランスになってからも、基本は1案件だけです。ただ、たまに2つの案件を掛け持ちしたことはあります。

きっかけは、「副業やるぞ」と意気込んで始めた、みたいな話ではありません。知り合いが産休・育休に入るので、その間、代わりに入ってほしいと頼まれた。それだけです。自分から動いたというより、流れで、という感じでした。

やってみて、良かったこと

やってみて良かった点は、まずシンプルに収入が増えたこと。これは分かりやすいメリットです。

もう一つ、これは掛け持ちならではだと思うのですが、片方の案件で得た知見を、もう片方に展開できることがありました。Aでうまくいったやり方をBで試したり、その逆もあったり。同時に二つ見ていると、片方だけをやっていたら気づかなかったことに気づける瞬間がある。これは、素直に面白かったです。

ただ、これは「即戦力前提」の世界です

とはいえ、良いことばかりではありません。ここは正直に書いておきます。

副業や掛け持ちで求められるのは、要するに即戦力です。会社側からすれば、限られた時間だけ入ってもらう相手に、手取り足取り教えている余裕はありません。

だから、言われたことを自分なりに解釈して、「それってこういうことですね。はい、やっておきます」と、曖昧な依頼を自分で咀嚼して整理できる人でないと、正直きついと思います。「で、次は何をすればいいですか?」と指示を待っているタイプの人は、たぶん向いていません。会社は、そこの面倒までは見てくれないからです。以前、AIに入口を奪われた若手はどうすればいいか、という話を書いたことがありますが、そこで言った「問いを立てて、自分で整理する力」は、副業の現場でもそのまま効いてきます。

「したほうがいいのかな」が、どこから来ているか

じゃあ、もし身近に「副業したほうがいいのかな」と迷っている人がいたら、僕はどう声をかけるか。

いつも思うのは、その「したほうがいいのかな」が、どこから来ているのか次第だ、ということです。

「周りがすべきだと言っているから、自分も乗り遅れたくない」——もしそれが理由なら、やめておいたほうがいいと思います。それはさっきの「外から言われた"すべき"」に、自分でうなずいてしまっているだけだからです。リスクを負うのは自分なのに、動機は他人のもの。これはいちばん危ない。

逆に、自分なりに考えがあって、「こういう理由でやってみたい」というものがあるなら、それはやったほうがいいと思います。もちろんリスクはあります。でも、それに見合う対価もちゃんとある。そのリスクを自分で負う覚悟があるなら、どんどんやればいい。

結局、「副業すべき」でもないし、「副業なんてするな」でもありません。動機が自分の中から来ていて、リスクを自分で引き受ける覚悟があるか。分ける線は、たぶんそこだけです。外野の「すべき」に、いちいち急かされる必要はないんじゃないかな、と思っています。

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