山形に住みながら、都市部の仕事をしている。そういう働き方を選んだ話

私はいま、山形に住みながら、都市部の仕事をしています。「わざわざ山形に?」と聞かれることもあるのですが、順番としては、先に働き方が決まって、住む場所は後から選びました。今回は、その話をしようと思います。
「千葉にいる理由がない」から始まった移住
移住する前は、千葉で仕事をしていました。当時のクライアントとは今もお付き合いが続いているのですが、その頃からずっとリモートでした。
もちろん、未来永劫この先ずっと同じクライアントと仕事をするわけではありません。ただ、これから先もこうやってリモートで仕事をしていきたいなと思ったとき、ふと「それなら、千葉にいる理由もないな」と気づいたんです。仕事の場所に縛られないなら、住む場所は自分の好きに選んでいい。そう思って、移住することにしました。
山形を選んだのは、生活者の目線だった
移住先を決めるにあたって、旅行がてら、長野や静岡、富山にも行ってみました。その中で、山形が一番よかったんです。
決め手は、いま思うとずいぶん生活者の目線でした。最初に入ったラーメン屋さんが美味しかったこと。道路が広くて、運転している人も丁寧な印象だったこと。そして、周りが山に囲まれていて、どこか安心感があったこと。「ここなら住めそうだな」と、素直にそう思えたんです。
仕事の都合で選んだわけではありません。むしろ、仕事はどこにいてもできるという前提があったからこそ、「暮らしやすいかどうか」だけで選べたのだと思います。たまたま最初に入った店がよかっただけかもしれませんが、その「たまたま」を素直に受け取れるくらいには、山形の空気が合っていたのだと思います。
リモートで支障はない。ただ、月1で出社している
実際に山形に住みながら都市部の仕事をしてみて、やりにくさを感じることはありません。ただ、会社の方針として「月に一回は集まろう」ということになっているので、月1で出社はしています。山形からなので新幹線ですが、これもさすがに慣れました。
ありがたいのは、これが強制ではないことです。都合が悪ければ行かなくてもいい、というカルチャーがあります。義務にしないほうが、逆にみんな集まりやすいのではないかなと思っています。
実際に顔を合わせると、リモートだけでは得にくいものがあるのも確かです。まず、雑談が増えます。いい意味で、「この人たちと一緒に仕事をしているんだな」という気持ちになります。それに、些細な確認事でも、リモートだとSlackで聞いて返事を待って、場合によっては「調整します」「確認します」と一度持ち帰ることになる。それが、出社していると本当にすぐに解決して、仕事が前に進むことがあります。
こう書くと「じゃあ、いつも出社したほうがいいじゃないか」となりそうなのですが、たぶんそうではないんです。毎日出社していると、作業中に声をかけられたりして、集中力が途切れることもある。だからこそ、月1くらいの出社がちょうどいいのかなと思っています。リモートか出社かの二択ではなく、ちょうどいい頻度を探す、という感覚に近いです。
新幹線の時間と、山形の暮らし
月1の新幹線移動も、私はそれほど負担に感じていません。時間はかかりますが、逆に新幹線に乗っている間はひとりの時間なので、読書をしたりゲームをしたりできて、むしろありがたいくらいです。交通費や宿泊費はクライアントが出してくれていますし、PCをリュックに入れて歩くのも、まあダイエットになるかなと。
暮らしの面では、外に出る楽しさが増えました。単純に、外の景色がきれいなんです。車がないと不便な土地ではありますが、車さえあれば、特に困ることはありません。そして、山形という田舎だからこそ、土地を買って家を建てることもできました。これは、都心にいたままだと、なかなか選べなかった道だと思います。働き方を自由にしたことが、そのまま暮らしの選択肢の広さにつながった気がしています。
それでも「移住はいいぞ」とは言えない
ここまで読むと、「やっぱり移住っていいな」「リモートいいな」と思われるかもしれません。確かに私はいいと思っています。ただ、それは今はいい、というだけなんです。
もしかすると、急にリモートで働けない環境になるかもしれない。契約を切られることだってあるかもしれない。そういう不安は、正直、必ずあります。ただ、そうなったとしても「なんとかなるだろう。なんとかしよう」と思える気持ちのほうが大事かな、と思っています。
だから、安易に「移住はいいぞ、みんなもやろう」とは言えません。私は、移住することもリスクだと思いますし、今のまま動かないでいることもリスクだと思っています。これはいろいろな意味を含んでいるので、うまく言葉にするのが難しいのですが。
それでも、ひとつだけ言えるとすれば——自分がどうやって働きたいか、それに従って生きたほうがいいということです。年をとったときに、「本当はこうしたかった。あのときああしておけばよかった。でも、今からじゃもう……」となるのが、私は一番悲しいし、寂しいことだと思っています。
もし、あなたが働き方や場所のことで何か迷っているなら、30分ほどお話ししてみませんか。移住の相談でも、仕事の困りごとでも構いません。私が正解を持っているわけではありませんが、「今はこういう働き方をしている人がいる」という一例として、何かの参考になれば嬉しいです。



