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大学も出ていない、統計も知らない。それでも「データアナリスト」になった理由

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大学も出ていない、統計も知らない。それでも「データアナリスト」になった理由

「大学も出ていない、統計の知識もない。それでも良ければやります」——前職の面接で、私はそう答えて「データアナリスト」という肩書きを引き受けました。今の仕事は「エンジニアがいない会社の、最初のエンジニア」ですが、その原点をたどると、実はエンジニアの現場ではなく、ソーシャルゲーム会社でのデータ分析の仕事に行き着きます。

統計の知識もないまま「データアナリスト」になった

もともとはSIerにいたのですが、事業会社で働いてみたいと思って転職活動を始めました。エンジニアとして普通に応募していたのですが、面接で言われたのは「データ分析ができるエンジニアが欲しい」という話。大学も出ていないし統計の知識もない、それでも良ければやります、という形でこの会社に入ることになりました。

実は別の大手IT企業からも内定をもらっていました。安定を取るならそちらだったと思います。ただ、こっちの方が課題感があって楽しそうだったし、アナリストという職種そのものに興味もあったので、迷わずこちらを選びました。

この決断に、不安はなかったです。基本的に「なんとかなるだろう」と思ってしまう性格なので、肩書きに知識が追いついていないこと自体は、そこまで気になりませんでした。実際、分析チームにいたアナリストの方に教えてもらいながら仕事を覚えていきましたが、統計の知識そのものでつまずいた記憶はあまりありません。つまずいたのは、勉強すれば埋まるようなところではなく、まったく別のところでした。

つまずいたのは統計じゃなく、"曖昧な依頼"だった

ソシャゲ会社には「プランナー」と呼ばれる、イベントなどを企画する人たちがいます。彼らからよく来る依頼が、「このイベントの成果を知りたい」というものでした。

ただ、「どういう風に見たいのか」までは言ってきません。というより、そこまでの具体的なイメージがそもそもない状態で、漠然と「成果が知りたい」とだけ言ってくるんです。何を出しても、たぶん本人の中にある「正解」と一致するかどうかは賭けのようなものでした。

見たいのはあなたなんだから、どういうアウトプットが欲しいのか教えてよ。

最初の頃は、正直そう思っていました。求められているものが具体的な数字ひとつではなく、輪郭のはっきりしない「知りたい」という感覚だけだったので、どこから手をつければいいのか戸惑うことも多かったです。

諦めから始まった、提案する側への転換

この状態から抜け出せたきっかけは、一言で言うと「諦め」でした。相手が出してこないなら、こっちから出せばいい。そう割り切って、「こういうアウトプットの形でいいですか」と、自分から提案する側に回るようになりました。愚痴を言いたくなる気持ちがなかったわけではないのですが、待っていても状況は変わらないので、動くしかないなと。

そうしているうちに、「成果が知りたい」というぼんやりした依頼から、きちんと意味のあるアウトプットまで持っていくのが、ある意味自分の役割なんだなと思うようになっていきました。相手が言葉にできていない部分を埋めるのも仕事のうち、という感覚は、このときに初めて自分の中に生まれたものです。諦めから始まったことではあるのですが、今振り返ると、この時期にいちばん頑張って身につけた感覚かもしれません。

芳しくない結果の中に、別の答えを見つける

アウトプットの形をこちらで決めること自体は喜んでもらえるのですが、イベントによっては、結果そのものが芳しくないこともあります。ただ、切り口を変えると、別の良い面が見えてくることもあるんです。

たとえばイベントでは、ログイン率や完走率をKPIに置くことが多いのですが、それが全体で見ると振るわない結果になることがありました。ただ、実はその期間に入ってきた新規ユーザーの継続率が、他のイベントと比べて高かったりする。結果的には、今後のユーザー数の増加に寄与していた、というようなことです。

最初に提示したアウトプットとは別に、「こういう切り口で出してみたら、こういう良い結果もありました」というのを添えて渡すようにすると、だいぶ喜んでもらえるようになりました。悪い数字をごまかすためではなく、ちゃんと事実として存在している別の良い面を、ただ見つけて渡す。それだけのことなのですが、地味に感謝されることが多かった気がします。数字ひとつをそのまま渡すのではなく、その数字をどう見せるかまで含めて仕事なんだな、と学んだのがこの時期でした。

この経験は、今の仕事にそのままつながっている

色んな角度から結果を見てみる、という姿勢は、今の仕事にもそのまま活きているなと思います。これは結果が悪かったときに限った話ではなく、良かったときにも「他に悪影響が出ているところはないか」と考えるようにしています。よくよく調べてみたら、実は糠喜びだった、ということもありますので。ひとつの数字だけを見て安心も落胆もしない、というのは、あの頃の現場で染みついた癖なのかもしれません。

「エンジニアがいない会社の、最初のエンジニア」という今の仕事も、突き詰めれば同じことをしているのかもしれません。相手からはっきりした要望や仕様が出てくることは、ほとんどありません。「なんとなく困っている」「なんとなく良くしたい」という、輪郭のはっきりしない話から始まることがほとんどです。曖昧な困りごとを聞いて、それを意味のある形に変えて渡す。あのときプランナーとのやり取りの中で覚えたことを、今もそのまま続けているんだろうなと思います。

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